ミニFMをやっていた頃(2/3)

何かを表現したい。そう思う人はたくさんいると思いますが、その手段は人それぞれ。歌だったり、文章だったり、映像作品だったり、絵だったり。でもそこで、ラジオ番組で自分を表現したいと思う人が、果たして今の時代どれだけいるというのでしょうか。

ミニFMなどという、実際にはほとんど聞かれない、ご近所だけを電波でカバーする手段なんかではなく、今ではネットラジオで世界中に自分の番組を届けることができます。もちろん、この場合も聞いてもらえるかどうか別の問題ですが。

それだけ、ラジオ番組で自分を表現するという手段が、簡単に手に入れられるようになったのに、昔のミニFMほどネットラジオはブームになっていません。それにはたぶん二つの側面があるのではないでしょうか。

ipodにワンセグ…「移動中はラジオ」というかつての常識が覆され、ラジオそのものに馴染みが無い人が増えてきたということ。

もうひとつは、市町村単位の比較的身近なラジオ局、コミュニティFMがここ十数年で各地に誕生し、ラジオをやりたい人は、やはり電波で自分の声を飛ばしたいという思いが強く、ネットラジオよりもこういった放送局の門を叩くのではないかということ。

いろんな要素が絡み合っているとは思います。昔ほど、ラジオで自分を表現したいという人はいないのかもしれませんが、それでも、ラジオに憧れ、ラジオに期待し、その世界のなかに自分の身を置きたいという人は、今も昔もいる…と信じたい。

ミニFMに話を戻します。

簡単にホームセンターで数千円の機材を買ってきて、法律の範囲内で飛ばせる電波を出して放送をするミニFM。

簡単なように思えますが、やはり電波を出すという側面で、どうしてもマニアックな男の趣味というイメージはぬぐえません。それによる弊害も当然あったわけで、それが表現の限界を作っていたと思います。

その限界が今、とうとう崩される時代がやってきたんだと、感じるのが、今ブームになっているアレです。

(その3へ)

この記事を書いた人

TOPPY/川合登志和

記事や脚本を書いたり、名古屋のラジオやテレビの構成作家をしたり出演したり、地域のFMラジオで喋ったりディレクターしたりミキサーしたり、講師したり、サイト作ったりしてます。

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