ミニFMをやっていた頃(3/3)

法律の範囲内である微弱な電波で、個人的な放送局を開局するミニFM。私が学生の頃はちょうど、ミニFMブームの本当に最後の最後でした。

ミニFMという趣味は、端的に言えば、自分でラジオ番組を作って、微弱な電波でご近所さんだけに飛ばすという、単純なものなのですが、同好の人でも必ずしも目的が同じと言うわけではありませんでした。

私のように、しゃべることで自分を表現することを求めた人、ばかりではなく、自作の曲を披露したい人、とにかく自分の好きな曲をかけたい人、音質や電波の飛びなど、放送技術面にこだわる人、ジングルや曲間のテンポなど、編集技術面にこだわる人などなど。

でも、ほとんどの人に共通しているのは、ミニFMに興味を持ってやり始めるのは、大抵「男」だということ。ミュージシャンを目指す女の子や、タレント志向の女の子がいてもいいような気もするのですが、

いくら当時ブームがあったとはいえ、女の子、しかも中高生の女の子が「ミニFM」というものの存在を知り、なおかつホームセンターで送信機を買って電波を飛ばすなどということは、極稀な例だったのではないでしょうか。

なおかつ、ミニFMをやるような男の子は、表現したいものがあるとはいえ、なかなかそういう、タレントやミュージシャンを目指すような女の子との接点があるようなタイプではなかったのではないでしょうか。少なくとも私はそうでした。

そこで困るのが、ジングルやタイトルコールです。

自分で番組を作るわけですから、喋るのは自分です。ラジオ番組自体が男の声となるのは仕方が無いことなのですが、やっぱり、ジングルやタイトルコールは女の子の声がいいよな・・・。

とはいえ、友達の女の子に「ジングル歌ってくれない?」「タイトルコールを叫んでくれない?」とは、とてもじゃないですけど、言えなかったですね。

時は流れ、私もミニFMをやらなくなって10年以上の時間が経過した先日、当時ミニFMを一緒にやっていた友人にこんなことを言われ、目からうろこが落ちました。

「初音ミクにジングル歌わせたいよね~」

初音ミクとは、パソコンのソフトで、歌詞と音程を打ち込むとその通り歌ってくれるというもの。これまでのコンピューター音声と違い、うまくやればかなり自然なものができます。最近はニコニコ動画などでも話題です。

でも、う~ん、そうか~。ジングルを歌わせるという発想は無かった。

なんだか、そんなことを聞いたらまたミニFM、いや、ネットラジオがやりたいな~という気持ちになってきてしまった。

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