在りし日のサークルK(愛知・稲沢市)
カナダのアリマンタシォン・クシュタールという会社が、日本のセブン&アイ・ホールディングスに対して買収提案を行ったと日経が報じました。アリマンタシォン・クシュタールは世界各地でサークルKを展開する会社の親会社です。
サークルKってまだあったの?ファミリーマートになったんじゃ?と思われるかもしれませんが、ファミリーマートに吸収されたのは日本のサークルKだけです。日本以外にはクシュタールのサークルKがあるのです。ということは…買収が実現したら日本じゅうのセブンイレブンがサークルKになる?
サークルKとは…
サークルKとは、日本では2018年(平成30年)11月30日まで存在していたコンビニエンスストアで、現在はファミリーマートに統合されています。
末期は長崎屋のコンビニであるサンクスと統合されて「サークルKサンクス」となっていましたが、もともとは「サークルケイ・ジャパン」という会社でした。名古屋の流通大手・ユニーがアメリカのザ・サークルK・コーポレーションとライセンス契約を交わし、名古屋に日本1号店を開店したのです。
イトーヨーカドーがアメリカのセブン‐イレブンと契約してセブン‐イレブン・ジャパンを立ち上げたのと同じ構図ですね。
名古屋にはずっとセブンイレブンがなかった
日本のサークルKは名古屋で圧倒的なトップシェアコンビニとなります。1997年(平成9年)時点の東海3県コンビニ店舗数を見ますと…(出典:東海ウォーカー1997 No.23)
- サークルK 1164店舗
- ココストア 472店舗
- ローソン 462店舗
- ファミリーマート 398店舗
- サンエブリー&ヤマザキデイリーストア 217店舗
- ミニストップ 184店舗
1位がサークルKで、2位は同じく名古屋を本拠とする「日本初のコンビニ」ココストアです。セブンイレブンは0店舗。東海3県は「コンビニ鎖国」状態だったわけです。
サークルKジャパンの仇討ち?
2002年(平成14年)のことです。セブンイレブンが東海3県への進出を開始。徹底的にココストアとサークルKを狙い撃ち。その勢いに負け、日本のサークルKはファミリーマートに吸収されます。ちなみにココストアもファミマに吸収されています。
アメリカのサークルKもアリマンタシォン・クシュタールのものとなっているのですが、店舗ブランドは「サークルK」のまま。アメリカのコンビニ店舗数は1位がセブンイレブンで、2位がサークルKです。ただ、アメリカのセブンイレブンは逆に、日本のセブン&アイが運営しています。
これは日本のサークルKを追いやったセブン&アイを買収することで、サークルK本体の仇討ちかもしれない…となると、買収が実現した際には日本じゅうのセブンイレブンの店舗が「サークルK」になって、サークルK大復活!なんてことになるのでしょうか。
見通しとしては?
と…書きましたが、実際のところはどうなのでしょうか。報道によると、アリマンタシォン・クシュタールは、セブンイレブンの北米の店舗が欲しいというのが本命で、買収提案は2年前から続いていて、それが今回明るみに出たということだそうですからね。
なぜ2年前からあった話が今回はリークされたのか。つまりこれ実際に買収の現実味はまあ置いておいて、「買収提案なんかが来てるからリストラを進めますね」というセブン側のアピールなような気がしますね。リストラを進める…つまりイトーヨーカドーの閉鎖をより進める狼煙な印象です。
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