年末のバタバタで記事にしていなかったので、今回は地元にできる新しいラジオ局の話題を。
市町村単位を基本として、地域に密着したラジオであるコミュニティFM。現在愛知県内には、8つの局がありますが、
地域別でカウントしますと、こうなります。
名古屋:1局(東区)
西尾張:0局
東尾張:2局(瀬戸・犬山)
知 多:1局(東海)
西三河:3局(岡崎・豊田・刈谷)
東三河:1局(豊橋)
名古屋市にあるMID-FMは、東区のみを放送区域とはしていますが、実際には名古屋市全域で聞こえます。また、東尾張も犬山と瀬戸の両局でほぼカバー。西三河はさすが経済力が強いのか3局、そして東三河と知多に1局ずつです。
そうこれまで、愛知県の西尾張には、全くコミュニティFM局が存在していなかったのです。そんな西尾張に今年、2つのコミュニティFM局が開局し、電波の飛び方を考えると、その両局で西尾張全体をカバーできる形となり、これまでコミュニティFMに全く縁のなかった西尾張が一気に実施エリアとなりそうです。
まず、今月下旬に開局を予定しているのが、「FMいちのみや・i-wave76.5FM」です。周波数76.5MHz、出力20wで、一宮市役所屋上から電波を送信。既に試験電波は発射されており、濃尾平野の地の利から、特に北東方向への電波が強く、犬山市や可児市の西側まで届いてます。
ただ、同周波数に大阪の高出力FM局があり、春日井市や瀬戸市では混信がかなり激しくなっています。とはいえ、西尾張の北部は完全カバーといってもいい状態になっていますね。各務原市でも聞こえます。
そしてもうひとつが、この、一宮へ76.5MHzが先に割り当てられるのを待っていたかのように、77.3MHzという素晴らしい周波数が割り当てられた、「西尾張FM」です。
西尾張FMは、4月1日を開局予定としており、このために会社が設立されるわけではなく、津島市に本社を置くケーブルテレビ局、「西尾張シーエーティーヴィ」がラジオ局も運営し、要はラ・テ兼営局という格好で、東海市の知多メディアスネットワークや、名張市のアドバンスコープと同じスタイルになります。
そして、送信所は蟹江町の中部電力蟹江電力所に設置され、77.3MHz出力20wでの放送となるとのこと。これは、えらいことですよ。77.3MHzといえば、かつて愛・地球博の際に、期間限定の万博FM「FM LOVEARTH」が使用した周波数。国のイベントFM局が使った実績のある周波数、万博のFMが混信を起こすなんてことは、あってはならないことです。
つまりそれは、77.3MHzとは、混信のまったくない、プラチナ周波数とも言っていいほどの存在であるということです。昨年開局した岐阜県のFMらら(76.8MHz)も、今月末開局するFMいちのみや(76.5MHz)も、放送区域の外側なので実際には「問題」とはいえませんが、混信問題が発生しています。しかし、この西尾張FMには混信問題は発生する可能性がほぼないということ。
混信の無い周波数で、出力20wであの平野のど真ん中から電波を出す。つまりそれは、西尾張FMは、他局とは比べ物にならない広大なエリアを手に入れるということです。なぜ、そんな良い周波数が、後からできる局に割り当てられるのでしょうか。先行者利益ではなく後発利益っておかしくない?と思われるかもしれませんが、これには理由があります。
当初、FMいちのみやは別の周波数での開局を申請したという話を耳にしました。ところがです。コミュニティFMへの周波数割当は、76.1~76.5MHzを基本として、76MHz台が使える場合は、そちらを優先して割り当てるという方針があります。
かつて名古屋市中区には、名古屋中エフエムラヂオ放送という、76.5MHzを使用していたコミュニティFM局があったのですが、2009(H21)年に閉局し、76.5MHzは空いてしまっていました。つまり、現段階で、名古屋近辺でコミュニティFMの免許申請をした場合、真っ先に割り当てられるのが76.5MHzで、そこが埋って初めて、他の周波数を割り当てられることになる、そういうことになります。
西尾張シーエーティーヴィは、かなり前から、コミュニティFM立ち上げを考えていたようで、サイトにラジオパーソナリティの募集やスタッフ募集を上げては消したりなんてことを繰り返していました。しかも、既存のケーブルテレビ局が一部門としてラジオ事業を立ち上げるわけですから、一宮のように、会社を新規に設立するよりも、スムーズにいくはずなのに…?
先にこの、混信の可能性のある76.5MHzをどこかが埋めてくれるのを待っていた?まさかね。たまたまですよね。FMいちのみやに予備免許が下りたわずか3週間後に、西尾張FMに予備免許が下りるというこのタイミング、きっと偶然ですね!
あとこの地方では、三重県いなべ市が、コミュニティFMの立ち上げを考えているそうです。市の予算もついているので、そろそろ動き出すことでしょう。さあ、この春一気に、西尾張にラジオ文化が開花しますね。楽しみです。
世渡り上手になるには、根回しも重要ってことね。
コメント
昨日、車で滋賀県方面へ行きました。
国道21号から関ヶ原で365号へ。
FM773がどこまで飛ぶのか調査がてら走ったのもあります。
結構飛んでるんですねぇ~
他の愛知のコミュニティより飛んでるんではないでしょうか?
関ヶ原は問題なし、滋賀県の365号藤川西あたりまでは安定して聞けましたよ。
それを過ぎると山の影響でしょうね。途切れ途切れにはなるものの、長浜市の姉川あたりまでは受信確認出来ましたよ。(ちなみに岐阜市のFMわっちもここまでは飛んでます)
77.3MHzは確かに滋賀県内でも全く混信の影響を受けないプラチナ周波数なんですが、これから夏にかけてEスポによる影響(大陸のテレビ周波数77.25MHz)を受けてしまって、エリア内の端だときついことも予想されますね。
>気分はα-stationさま コメントありがとうございます
いやほんと、飛んでますよねえ。私が移動中に聞いた限りでも、
◎稲沢、○羽島、△大垣、○犬山、△可児、○瀬戸
といった具合でしょうか。
名古屋の南東部は、ZIP-FMの強電界の影響で、
難しいと思いますが、愛知県内のコミュニティFMでは、
最も広いエリアを確保してると言えるかもしれませんね。
FM773のエリア続報です。
前回は渋滞を避ける為、365号から長浜市街を抜けて湖岸道を走った為に長浜市街手前でS-OUTして聞けなくなってしまいましたが、先週の土曜日に再度365号をさらに北上、木之本へ抜けました。
結局姉川を越えても所々で入感して、ある程度は番組を楽しめる状態でしたよ。
(アンテナはブースター内蔵ルーフトップショートアンテナと日産純正CDチューナ)
木之本で8号線に入り、一番遠距離で一番安定していたのが木之本町大音交差点から賤ヶ岳トンネル入口までの約1kmの間が西尾張エリアにいるような感じで安定受信出来てました。山の反射による影響なのでしょうか?
賤ヶ岳トンネルを抜けて藤ヶ崎トンネルまでの間でかすかに入る状態でしたが入口手前で完全にS-OUT。
80kmは飛んでることになるのかな?多分、間に山がなければ敦賀まで余裕で飛ぶような勢いですね。
トッピーさんのおっしゃる通り、羽島○ 大垣△です。確かに一旦大垣で受信状態が悪くなってしまいますが、トッピーさんと同じ評価レベルでこの先では垂井○ 関ヶ原○ 米原市藤川○ 以降木之本町大音まで△ 大音から賤ヶ岳トンネル入口まで○と言った状況です。
昨日の日曜日は滋賀県永源寺まで421号を走り、石榑トンネル入口まで安定受信(評価は○)、トンネルを出たとこでかすかに入感したものの、すぐにS-OUT。
その昔、FM-DEPOが300Wで21号関ヶ原滋賀県境でS-OUT(但し当時は軽トラ用ロッドアンテナで感度が多少悪かったせいもあります)
それを考えると20Wで80kmは大したものです。
>気分はα-stationさま コメントありがとうございます
大垣ではいったん電界強度が落ちるものの、
その先の伸びがすごいんですね。
情報ありがとうございます。
送信所の立地条件もありますが、やはり、それ以上に、
混信の無い周波数のすごさといいますか、
その周波数をゲットする政治力、なのですかね…。