中日ドラゴンズあるある3(TOブックス)
ファンも地味な印象があるだけなのかな
プロ野球球団の「あるある本」は各球団ともに出ていますが、「3」が出たのはドラゴンズが唯一だそうで。一昨年1月の第1弾、8月の第2弾に続いてのシリーズとなっています。
中日は、チーム自体にどこか大人しく地味な印象がある一方で実際は明るいのですが、ファンもそうなのかもしれませんね。他球団ファンの方が熱烈、熱狂なイメージがありますが、第3弾が出るほどとは、中日ファンも表に出さないファン熱を持っているのかもしれません。
ネタを見ても「ああ、ここ数年で、ドラゴンズってこんなに様変わりしてたんだな…そうそう」と改めて実感できる1冊になっています。「2」に続いての河合じゅんじ先生のイラストも最高です。
よくぞこの時期にとは思っちゃうけど
球団あるある本ですから、チームの状況が良いときの方が話題にもなりますし、売れると思いますよね。なんでこの時期に…と思われるかもしれませんが、読むと「ああ、あえてこの時期に出されんだな…」と感じることができます。
特に今年は、中日ファンとしていろいろと思うことがあったシーズンですよね。どの球団よりも先駆けてストーブリーグが始まりましたし、かといって、来シーズンへの期待満載という気にもなかなか…。
そんな気持ちにこの「中日ドラゴンズあるある3」です。まさに共感。こういう時期だからこそ、ファンの一体感といいますか、ガス抜き、慰め、鬱憤晴らし、そして来季への期待に気持ちを切り替える一冊です。
今回はあるあるプラスくスペシャルインタビューも
さらに今回は、「1」「2」にはなかったスペシャルインタビュー企画が。帯にもありますとおり、「ドラゴンズを明るく変えた男」こと小田幸平さんのお話が収録されています。
地味なチームだと思われがちな中日ドラゴンズですが、実は…という部分がよくわかりますし、ああ、そんな要素が満載なのに、表に出ていないところがやっぱり中日なんだなあ…と。あの選手やあの選手に意外な一面に触れられます。
もちろん笑えますがちょっと切ない涙も
イケイケのチーム状況の時とは、ちょっと笑いの質は違いますが、確実に笑えるはずです。
いくつも面白いネタがあったのですが、なかでも私が「あー」と思ったのが187番。
「全国区のテレビで取り上げられる選手と 試合に出ている選手が違う」
ベテラン勢の印象ばかりが強く、なかなか全国区で実情が取り上げられない現実、ですが、でもこれって逆に考えると、未来のドラゴンズを背負って立つ選手たちが、確実に育っているということですものね。
今年の中日を見て、一緒に「ぐぬぬ…」と戦ってきたドラファンなら、笑いと涙、共感間違いなしの一冊です。ぜひ。
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