松阪牛 牛めし(柿安本店)
偽装で考える松阪牛の名称問題
先日、あるしゃぶしゃぶチェーンで、「松阪牛」の偽装問題が発生しました。その一報で、ある全国区放送局の報道ツイートが、「松坂牛」となっていたのです。そういえば、以前は「まつざかぎゅう」と呼ばれていたような気がするのに、今は「まつさかうし」と呼ばれることが多いですよね。
松阪牛の名称問題を、ただ、考えても寂しいですから、実際に松阪牛を食べながら考えてみます。
松阪牛のまずは地名の方を考えてみましょう。これは、三重県の「松阪市」の「松阪」です。松阪は、地元では「まっつぁか」と呼ばれることが多いのですが、正確な市名の呼び方としては、かつては「まつさか」でも「まつざか」のどちらでもOKだったのです。
ところが、2005(H17)年に、嬉野町、三雲町、飯南町、飯高町と合併して新生「松阪市」となったときに読み方を「まつさか」で統一したという経緯があります。なるほど。9年前までは「まつざか」でも正解だったことも、「まつざか」と今でも呼ばれる一つの要因となってそうですね。
そして漢字ですが、江戸時代はずっと「松坂」で、お城の名も「松坂城」です。松阪になったのは1889(M22)年、「大坂」が「大阪」に変更した影響を受けて変更されたとのこと。125年も前に変更されたのに、なぜ今もなお「松坂」と間違えられてしまうのか、
それはきっと「松坂大輔」選手や「松坂慶子」さん、さらには、三重からも程近い名古屋が本拠の「松坂屋」の影響が大きいのでしょうね。
テロップに定評のある、名古屋のあるテレビ局が、全国ネットのニュースで「三重・松坂市」とテロップを出してしまったのを見たこともあります。
とはいえ、間違う要素が多いから間違えてもいい、というわけではありません。正解は漢字は「松阪」、読み方は「まつさか」です。
松阪の次は「牛」の読み方です。「まつざかぎゅう」はNGでも、「まつさかぎゅう」はどうなのか?こちらは「まつさかうし」でも「まつさかぎゅう」でも、実はどちらでも間違いではないんですね。
ただ、地元としては「まつさかうし」と呼んで欲しいと、業界団体も県もアピールしていますので、地元メディアとしてはやはり、地元の声を反映して、「まつさかうし」と呼んだほうがいいと思うのですが、その思いが通じていないメディアもまだありますね。
まとめます。
まつざかぎゅう→×
まつざかうし→×
まつさかうし→○
まつさかぎゅう→○(しかし地元はそう呼んでほしくない)
以上、松阪牛の読み方の話でした。
このブログ記事を書いた意義は…もうおわかりですね。松阪牛の牛めしを食べたことの正当化です。
《三重県産》松阪牛 すき焼(リブロース) 約500g (箱) 090151 SU-109MC( 表書き :紅白蝶結び, お熨斗 : 御礼 )
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