よく「歳をとると1年が短く感じる」と言いますが、もちろんこれは錯覚であって、実際に時が速く流れているわけではありません。ではなぜそう感じるのか、これには2つ説があって、
ひとつは、自分が生きてきた年数から見て、1年が短くなっていくから、つまり10歳の子にとって1年は人生の10分の1であるのに対し、40歳の人にとっては40分の1であるから、という説。
そしてもうひとつは、年々人生経験を重ねていくうちに、次第に「サプライズ」が少なくなり、刺激が少なくなることで、時が早く流れるという説です。
前者に関しては、私は納得できないのです。なぜなら、自分が歩んできた年数が増えようが、毎年「1年」というものを体感しているわけですから、相対的な比較ができるにもかかわらず、短く感じるのは、別の理由があるのではないかと。
そこで、後者の説です。
私はこの話を数年前に聞いてから、「なら、年々驚きが薄くなる毎日の出来事について、自分なりに振り返り、些細なことでもサプライズとして毎日実感すれば、短くならないのではないか」と思い、実践することにしました。
つまり、子どもの頃というのは、毎日自分の知らない新しい出来ことが身近で発生し、そこから何かを吸収することで、1日1日をかみ締めているわけです。それから毎晩私は、その日あったことを必ず振り返り、今日はこんなことに驚いた、感心した、笑った、ということを、再度実感することにしたのです。
するとどうでしょう。数ヶ月もすると、
それまで、人が言うように感じていた「1年があっという間」という感覚が、無くなったのです。今では、1ヶ月前が結構前のことのように感じるほどになり、時の流れがゆっくりになったような感じさえ、するようになりました。
結局、人間というのは全て気の持ちようで、「思っているようにしかならない」ものなんですね。でもそれは、逆の言い方をすれば、「思っているようになる」ということなのです。
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