幻を現実に?東海東京FH

写真:東海東京フィナンシャル・ホールディングスの一面広告(中日新聞)

4月1日。この日はエイプリルフールであると同時に、新しいことがスタートする日です。入学・入社など個人だけでなく、企業などが新しい体制になることも多く、それをアピールする新聞一面広告が目に付きます。

そのなかで今年、私の目が釘付けになったのが、「東海東京フィナンシャル・ホールディングス」発足の広告です。

私は、特に東海東京証券と取引をしているわけでもなく、持株会社制に移行すること自体には、何も思いはありません。注目したのは、その全面広告に使われていた、「幻のスフォルツァ騎馬像」の写真です。

この像は、15世紀にレオナルド・ダ・ヴィンチが膨大なスケッチを行い、製作を試みたものの、戦争によって完成させることができなかったのですが、現代の科学技術を結集し、500年の時を越えて完成させたものなのです。

東海東京証券も、フィナンシャル・ホールディングス化によって、幻を形にする気持ちでスタートしたい、ということなわけですが…。

しかし私は、この新聞広告に、さらにもっと大きな意味が隠されている気がしてならないのです。

東海東京証券は、2000(H12)年10月に「東京証券」と「東海丸万証券」が合併して誕生しているのですが、なぜ「東京」よりも「東海」が先なのかと言いますと、東海銀行が筆頭株主であり、東海銀行グループの中核証券会社として、誕生したという経緯があったのです。

しかしその後、東海銀行は三和銀行などとUFJホールディングスを設立。UFJとしての中核証券会社は「UFJつばさ証券(現・三菱UFJ証券)」となり、東海東京証券は、行き場を失ってしまうのです。

ここで注目したいのが、先ほどの「幻のスフォルツァ騎馬像」です。

写真:像が作られた当時の東海銀行の広告(世界デザイン博覧会公式ガイドブック)

実はこの像、1989(H元)年に開催された世界デザイン博覧会をきっかけに、その「東海銀行」が製作したものなのです。そして、今回の東海東京フィナンシャル・ホールディングスの広告にはこうあります。(要約)

「研究者たちが知識と技術を結集して、幻の像をよみがえらせたように、東海東京証券は、銀行などの他業種と融合を図り、大きなビジョンを実現し、夢を形にします。」

つまり、この広告が言いたいことは…。

東海東京フィナンシャル・ホールディングスは、幻となってしまった、名古屋を代表する総合金融グループを再び創り上げる!そう、あのかつての東海銀行グループのような金融グループを!

ということなのではないでしょうか。

そのうち、傘下に「新・東海銀行」を設立したりしてね。

「知恵をあつめれば、それは、現実になる。」

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