写真:RADIO-i三国山送信所(愛知・瀬戸市)
あまりにも衝撃的なニュースなので、速報でお伝えします。名古屋を中心に、愛知県と静岡県西部にある都市をエリアとする外国語放送局、愛知国際放送、愛称・RADIO-i(レディオ・アイ)79.5MHzが、今年9月30日をもって放送を終了すると発表しました。
これまで、
京都の近畿放送(KBS京都)、福岡のエフエム九州(CROSS FM)、兵庫のKiss-FM KOBEと、民放連に加盟する放送局が、破綻したこと自体はありましたが、再建された後継会社が放送を続けており、我が国において、放送を終了した放送局というのは、市町村規模のコミュニティFM放送局、そして合併や免許継承を除いては、前例がありません。
(通信衛星は放送局ではないので除外します)
RADIO-iは、外国語放送という特殊な免許での放送となっていたものの、放送内容は外国語に限定したものではなく、広く東海地方のエリアをカバーしており、奈良県、滋賀県、岐阜県、三重県の一部でも良好に聴取できる環境でした。
にもかかわらず、2000(H12)年4月の開局以来10年、一度も黒字決算を出すことができず、
同業他社の報道によりますと、今年3月期までの赤字総額は28億8400万円に膨らんでいるとのこと。このまま、引き受け先が見つからなければ、9月30日にて、放送停止、電波も停止という事態に陥ってしまいます。
今年1月、RADIO-iは大幅な番組改編を行い、ジングルも一新し、開局10週年から新たな方向を…という意気込みでしたが、思えばあれが最後のリストラ策で、それが成功しなかったら…ということだったのでしょう。
そして、会社は清算へ。私は、FMといえばRADIO-iという生活を送ってきたので、いまだにこのニュースは現実として受け取ることができないといいますか、我が国で、これまで消滅した民放連加盟局が存在しないことから、放送局が消えるということが、よくわからないというのが、正直なところです。
我が国で最初に放送を開始した民放は、名古屋の中部日本放送(CBC)です。逆に、
我が国で最初に放送を終了した民放も、名古屋のRADIO-iとなってしまわないように、なんとか、再建策、引き受け先が見つかることを祈るばかりです。
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コメント
私は15日のNHK『ニュース845』でこの件を知り、大きな衝撃を受けました。
興和の100%子会社だった(2008年~)というのは一連の報道で初めて知りましたが、累積赤字が29億円弱にまで膨れ上がっては、興和もさすがに支え切れなくなってしまったということの様ですね。
RADIO-iに限らず“MegaNet”加盟局はどこも経営状況が良くないということで、RADIO-iの破綻をきっかけにMegaNetが崩壊しかねないという懸念もある様です。
我が国の民放第1号は名古屋のCBCであるとトッピーさんもお書きになっていますが、「一般放送事業者による民間FM放送」の第1号も名古屋のFM AICHIなんですよね
(TOKYO FMの前身の『FM東海』は一般放送事業者ではなく、元は学校法人による運営でした)。
いわば名古屋の地は民間放送の歴史においてエポックメーキングな役割を担ってきたと言えますが、RADIO-iの破綻が「負のエポックメーキングな事件」となってしまわないことを祈るばかりです。
>いちみ。さま こんにちは
昨日は、夕方ニュースで一報を各社報じたみたいですね。
自分は共同通信のツイッターで知りました。
興和の100%子会社になるまでは、
ジャパンタイムズ、トヨタ、敷島製パン、中日新聞、
三菱東京UFJ銀行、名鉄、中部電力、シーキューブなど、
計26社の共同出資だったんですけどね。
結局、興和は全部押し付けられたために、
このRADIO-iの株の評価損で、興和自体が初の赤字転落に陥ったと…。
これで、Mega-Net4局は全部方向性が決まりましたよね。
Inter FM(東京)→テレビ東京FMに
FM COCOLO(大阪)→FM802第2放送に
LOVE FM(福岡)→西鉄に譲渡
RADIOi(名古屋)→消滅
名古屋が最悪のシナリオになってしまったわけで。
石橋を叩いても渡らない、
潔い名古屋らしい結末といえばそうかもしれませんが…。
昔、ラジオ放送を切望していたメ~テレは、
CS局を買ったばかりで、連続赤字真っ只中ですし、
どこかラジオをやりたい会社があればいいんですけどね…。
TOPPYさんこんばんは。
このニュース、今夜某掲示板で知りました。
考えてみれば、日本で(現時点で)最後に開局した地上波局でもありましたね。最後に開局して最初に閉局するなんて、世界金融危機の影響とはいえ、残酷です。
自分は、最初は、閉局第1号はKBS京都だと思っていたのが再建に成功したことから、「日本で最初に承継法人もなく閉局するのはどこかのテレビ平成開局か、不祥事ばかり繰り返してるあの巨大局だろう」と考えていましたが、CROSS、Kiss、Loveと次々と破綻、大都市圏のラジオ局がいかに苦しいかという事実を知りました。
やはり日本では外国語放送は難しいのでしょうか。
外国語放送でなくてもいいので、電波を承継する会社が登場してほしいものです。
>からやさま こんばんは
この地方では、RADIO-i開局の1年後に、
岐阜FM(Radio80)が開局していますので、最後ではない…ですよね。
田舎とは言っても、その県に1つしかない局というのは、
AM、FM、テレビ問わず、意外とバックアップがしっかりしていて、
大都市の後発局のほうが、実際は苦しい、ということでしょうね。
ただ、そのバックアップも、これからの時代はわかりませんね。
日本経済が再び成長するようにならなければ、
メディアが多様化するなかで、さらに同様の事態が発生する
可能性は充分にあると言えるでしょうね。
某ネットラジオで、先日これから向こう10年で、
ラジオ局の破綻が相次ぐ、といった発言をしていた人がいました。
やはり最後は親会社の体力ということになるのでしょうか・・・・?
そもそも外国語放送という媒体が、根付かなかったということでしょうか・・・?
ネットの普及で、もはやその役割も終えてしまったということでしょうか・・・?
>とくながさま こんばんは
現実的に見ますと、そうでしょうね。
リスナーとしては「何とか…」と思いたいところですが、
実際のところ、これは「終わりの始まり」だと思います。
RADIO-iが前例を作ることで、
今後、後を追ってお手上げしやすくなるんじゃないですかね…。
そもそも、外国に行くとあれほどラジオ局が乱立していても、
うまくいってるのに、日本のラジオ離れの加速度がすごいのは、
なぜなんでしょうかね?
それが突き止められないと、日本のラジオは確実に、
この終わりの始まりは止められないのではないでしょうか。
はじめまして。
自分は関東に住んでいるのでRadio-iには思い入れがないのですが、ラジオ、特にFM局が無くなるのは本当に悲しいです。以前ライブドアがニッポン放送を買収しようとしていたけれど、儲かっているIT企業よ、社会への還元や奉仕として救済しろと言いたくなるデス。外国語放送という形でなくても残ってくれればなんて思うのは、甘い考えなのですかね? 他の放送局も決して破綻しないで欲しいです。
>ふかづめ野朗さま こんばんは
はじめまして。
日本はもう、人口が減少する国になってしまったので、
放送局に限らず、全てのマーケットが収縮していくわけで、
内需だけが頼りの分野については全て、
これから、売上が減っていくわけですから、
いろいろと破綻、廃止、廃刊、廃局、そんなニュースが
増えていくのではないかと、覚悟はしています。