写真:株式会社かにかも放送(岐阜・可児市)
※10/28更新最新情報
→FMでんでん・かにかも放送免許更新せず
名古屋では、9月末に放送休止を控えた、RADIO-i(愛知国際放送)が大きな話題となっています。日本で初めての地上波民放消滅となることもあり、「本当に無くなるのか?」と、まだ信じられないという声もあります。そんな名古屋のベッドタウンで今、ひっそりと息を引き取りそうなラジオ局があります。
岐阜県可児市と美濃加茂市を放送エリアとする、株式会社かにかも放送の「FMでんでん」です。
FMでんでんは、2004(H16)年6月6日の午前6時、76.8MHz、20wで放送を開始しました。当時は今渡に本社とスタジオを構え、2005(H17)年に開催された「花フェスタ2005ぎふ」では、3ヶ月半の期間中、142万人の入場者に向けて、交通情報などを流し、イベントをサポートしました。コミュニティFM局のなかでは後発にもかかわらず、USEN440での再送信も行われ、存在感を示していました。
そして、2007(H19)年7月30日、本社・スタジオをケーブルテレビ可児の新社屋内に移転し、サテライトスタジオを設け、かにかも放送が経営するレストラン「キオッチョラ」も併設され、コミュニティFMの理想形のように見えたこのあたりから、何かがおかしくなったのです。
(当時のレポート)
「ランチを食べに放送局に行く?-可児市・chiocciola」
2008(H20)年12月、制作番組を大幅に縮小。2009(H21)年1月、一昨年のスタジオ移転が、無届けであったとして行政指導。そしてとうとう、かにかも放送が運営していたレストランが、2009(H21)年12月27日に閉店、12月31日をもって番組制作を終了してしまうのです。
(当時のレポート)
番組の制作をやめてしまった、FMでんでん。2010(H22)年に入ってからは、音楽だけが24時間流れているという状態になりました。それでも、大使館グループの「湯の華アイランド」のCMが入るなど、放送局としての体裁は保っていました。しかしです。
あの、可児川が氾濫し、カヤバ工業のトラックを押し流した、7月15日の豪雨が転機となりました。開局当時、このFMでんでんからスタッフが移って行った、おとなり犬山市の愛知北エフエム「まちの放送室」は、市役所と随時回線を結んで、刻一刻と災害情報を流していたのに対し、FMでんでんはこの日、無音に。その姿はまさに対照的でした。
そしてそのまま、FMでんでんは無音となり、電波だけが出ている状態に。それから1ヶ月、とうとう電波も停まってしまったのでした。
まだ、監督官庁からは何も発表がありませんが、このまま、ひっそりと、RADIO-iの話題に隠れて、消滅していくのでしょうかね。FMでんでん。
不況の影響といわれていますが、もし、新社屋への移転が足かせになったというのであれば、あのまま、今渡の雑居ビルで放送を続けていれば、放送が続いていたのかな…なんて思えるところもありますね。
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