HI-C復刻版を飲んで思う懐かしさと販売戦略のかみ合わなさ

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どのメーカーということなく、「メローイエロー」「はちみつレモン」など、懐かしいジュースの復刻版がたまに登場しますよね。これは明らかに、今の消費者の中で最も人口比率の高い、団塊ジュニアの「懐かしさ」につけこんだ商法なわけで、まんまと自分なんかはそれにひっかかって、買ってしまうわけです。

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メローイエローを飲めば、当時まだ田舎の団地には目新しかった、コンビニエンスストアで初めて買ったときの気持ちを思い出し、「これって今でも定番でいけるんじゃないの?」と思い、はちみつレモンを飲めば、夏休みの部活帰り、部活中は水を飲むことを禁止されていたこともあって、自販機で友達と一緒に買って飲んで、めちゃくちゃおいしかった思い出がよみがえり、今飲んでもうまいなと思うわけです。

で、今回は「HI-C(ハイシー)」です。HI-Cは、先ほど例示した2とは決定的な違いがあります。それは、ブームになった記憶がないということ。どちらかというとHi-Cは定番のフルーツジュースでした。「HI-Cオレンジ」「HI-Cアップル」は、コカコーラ社のジュースを扱っているお店でジュースを注文すると、迷うことなく出てきたジュースで、積極的にHI-Cを飲みたいと思って飲んだものではなく、なんとなく普通にあったジュース、そんな印象なのです。

久しぶりに飲んでも、その感じは一緒。果汁が20%なのは清涼感を出すためらしいですけど、100%果汁のジュースに慣れてしまった今となっては、名古屋の言葉でいうところの「しゃびしゃび」のオレンジジュース、昔の印象のままでした。そういえば…HI-Cっていつの間に姿を消してしまったのでしょう。

「ハイシー」といったら、武田薬品工業の「HICEE」の方を思い浮かべてしまうほどに、HI-Cの存在感はありません。それもそのはず、今コカコーラ社の清涼感のある果汁ジュースといえば、「Qoo(クー)」その果汁は25%です。Qooの売り文句は、「やさしい酸味の『子どもの喜ぶ味』の低果汁飲料」

つまりです。この「低果汁飲料」というのは、そもそもが子ども向けのものであり、それがかつてコカコーラ社は「HI-C」ブランドであったと。それを子どもの頃に飲んでいた団塊ジュニアが、まあ、懐かしさにこの「HI-C」復刻版を買うわけですが、味が子ども向けなわけですから、懐かしいとは思えても、メローイエローやはちみつレモンのように「これは今飲んでもおいしいわ」「復刻版のあるうちにもう一度買おう」にはなりにくいですよね。

しかも「Qoo」があるので、今の子どもたちは「HI-C」を買う理由がありません。HI-Cがスーパーで投売りされる日は、近いかも。でもやっぱりこのパッケージは懐かしいですし、ペットボトルであることに違和感を感じずはいられませんね。

この記事を書いた人

TOPPY/川合登志和

記事や脚本を書いたり、名古屋のラジオやテレビの構成作家をしたり出演したり、地域のFMラジオで喋ったりディレクターしたりミキサーしたり、講師したり、サイト作ったりしてます。

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