茨城放送がFM 94.6MHzでも聞けるようになる
AMラジオがFMでも聞ける「ワイドFM」が茨城でスタートへ
AMラジオの放送は、放送エリアが広いというメリットがある一方で、音質が悪く、パソコンなども含めて都市雑音が増える一方の現代では、とても聞きにくいメディアとなってしまっています。加えて、AMラジオの放送設備は大規模であるがゆえに災害に弱いという側面があります。
そのため、AMラジオの放送をFMでも補完する形で聞けるようにする「ワイドFM」が各地でスタートしています。
このたび、茨城県を放送エリアとするAMラジオ局「茨城放送」の番組がFMでも聞けるようになる予備免許が交付され、スケジュールどおり進めば、東京の3つのAM局を差し置いて、茨城放送が関東初のワイドFMスタートとなる見通しとなりました。
同時に、茨城県では初の民放FM局誕生にもなる…とは?
予備免許は東京よりも遅いけど…
株式会社IBS(茨城県域AM放送局)のFM補完中継局に予備免許
今回、予備免許が交付されたのは「株式会社IBS」です。茨城放送はソフトとハードで法人を分けており、茨城放送の放送設備を運用・管理しているのがこの株式会社IBSという会社ですので、要は、茨城放送がワイドFMを開始するための予備免許が出たというわけです。
発表によりますと
・送信所は茨城県桜川市(加波山)
・周波数は94.6MHz
・出力は1kW
・ERP(最大実効輻射電力)は5.2kW
・放送開始予定日は平成27年8月中旬
とのことですので、わずか1ヶ月弱後には、茨城放送がFM 94.6MHzでも聞けるようになります。
一方で、東京のTBSラジオ、文化放送、ニッポン放送には既に、昨年9月2日にワイドFMの予備免許が交付されているのですが、開始には至っておらず、「今冬開始」との表現にとどまっているため、8月中旬開始予定の茨城放送が、関東では一番乗りとなります。
ちなみに、名古屋の東海ラジオ、CBCラジオはこの秋スタート予定です。
茨城放送は東京ではあまり聞けなかった
茨城放送はこれまでAMでは、水戸から1,197KHz 出力5kW、土浦と県西の両中継局からは1,458KHz 出力1kWという、関東でありながらも、最も規模の小さな最低限度の出力による県域局となっており、茨城県外でAMラジオで聞くのは困難といわれているラジオ局でした。
一方でNHK-FM水戸は、83.2MHz 出力1kWでありながら、茨城県外でも受信することができることから、新たにスタートする茨城放送のワイドFMは、関東でも広く受信できる可能性があります。
ただ、ERP(最大実効輻射電力)はNHK-FM水戸が5.8kWなのに対し、茨城放送のワイドFMは5.2kWなので、電波を飛ばす方向(指向性)が異なっているかもしれず、今、NHK-FM水戸が聞こえるからといって、必ずしも茨城放送のFMが聞けるわけではなく、その逆もありそうです。
茨城では「初の県域民放FM局」となる
茨城放送はこのワイドFMを大きく位置づけており、既に「i-FM(あいえふえむ)」という新たな愛称も決定されています。
発表された新たなロゴは、「i-FM」という文字が「IBS茨城放送」という文字よりも数倍大きく、いかに、茨城放送がFMを大きな存在として考えているかがわかります。むしろ、AMよりもFMで聞いて欲しいと思っているのではないか?と思えるほどのアピールぶりです。
それもそのはず。
茨城県内には、市町村単位の放送局ある、コミュニティFM局は存在しているものの、実は、茨城県にはこれまで、県域の民放FM局が存在していませんでしたので、このi-FMが、茨城県初の県域民放FM局となるのです。
ただし。あくまでもワイドFMは「FM補完」であり、AMラジオとは別の内容を流すことはできず、AMラジオの放送をCMも含めてそのまま流すという形であるため、厳密には「FM局の開局」には当たらないのですが、ハードとして県をカバーする民放FM局という位置づけにはかわりありませんから、「i-FMは茨城県初の県域民放FM局」となります。
現在国内には、同様に「民放県域FM局」の存在しない県として奈良県、和歌山県があります。さらに茨城県は、日本国内で唯一、県域のテレビ局が存在しない県でもあります。
かつて茨城放送のなかには「テレビ準備室」が設けられ、テレビ局開局を計画した時期がありました。i-FMによって、茨城放送はAMだけでなくFMにも進出することになります。その勢いでテレビ局開設計画も再燃…は無いかな。
インターネットテレビとして「いばキラTV」もありますしね。あ、あと、茨城県民のためのテレビ局として、CSに開局した「ほっと茨城テレビ」は…セクシーなチャンネルへと変貌して現在に至ります。
ONKYO T-433(S) INTEC275 FM/AMチューナー シルバー
ワイドFMを聞くには、90MHzよりも上の周波数が聞ける対応ラジオが必要です。
コメント
Toppyさん、はじめまして。
茨城放送のお膝元に住んでいる者… と、名乗っておきます。
放送だけでなくキャラ物も大好きなので、
いつも興味深く拝見してます。
IBS、とうとうFMの電波が出ましたね・・・。
送信所の立地からすると予想通りと言いますか、かなり遠くまで聞こえているようで
地元民としては、ちょっとだけ誇らしくもあります。
(他県に出かけたときに、地元の局が入る感覚をやっと味わえるw)
ただ、ちょっと思うところが無いわけでもなく。
最近の改編ごとに、昔からの「IBSのカラー」を持った番組が、段々と減ってきている
印象がありまして…
まあ、スタッフのご年齢や景気の事を考えれば、拠所ない事情もある話なのでしょうけども。
FMにあわせて、番組の若返りを図りたいから とか
リスナーの反応に合わせています とか、例えばそういう理由だったら良いなとは思うのですが
何となく、そういう前向きなものが、番組ではそれほどは聞こえていないような
印象を持っていたりもします。
ノリの良さは良いとしても、充分な知識に基づいた内容というか
聴いていて「明日を生きていく気持ちを後押しされる」ような番組っていうのも
やっぱりラジオらしいし、大事だと思うんですけどね・・・。
(長寿の朗読番組が在ったり、震災後に原発関係のドキュメンタリーを独自に作ったり
掘り下げた番組を作ってくれる(作れる)放送局だと、今も思っているのですが。。)
もし、これから初めてFMでIBSを聴く人がいましたら、その時に思った事やメッセージを
気軽にでいいので、番組に送ってみて欲しいなと、思います。
私もリスナーとして、これからも投稿したいとは思うのですが
例えば、地元民には当たり前な話やアイデアでも、茨城以外の人の声で聞くと
新鮮な話題になる事って、ありすぎるほど沢山ありますし、
その逆もあると思う。
今だから、そういう一つ一つの再発見のような事が、恐らくIBSや茨城にとっても
大切な事なのかなと、何となくですが思っています。
取り留めなくなってしまいましたが、
今回のFMが、丁度「良い機会」になって、新しい流れが出来れば良いな、と
影ながら思います。
ワイドFM対応のラジオを買ってみたので千葉県東葛エリアで聞いてみました。
屋内ではかなり受信状況が厳しいです(もっとも、ラジオが1000円台のもの
ですので、もう少し高いラジオだときれいに聞けるかもしれません)。
同じラジオでAMに切り替えると水戸局も筑西局も全く受信できませんから
ワイドFMはそれなりに威力がありますね。
しかし茨城放送HP、まるでFM局のようですねw