秋からのワイドFM本放送に向けて東海ラジオとCBCラジオがFMで試験電波を発射開始

150818

三国山FM放送所(愛知・瀬戸市)

秋に本放送を開始予定

 AMラジオの放送と同じ内容を、FMでも聞けるようにする「ワイドFM(FM補完中継局)」。名古屋では秋からの開始が予定されていますが、いよいよ試験電波の発射が17日に開始されました。

 電波の発射は午前10時から。内容は他地区のように試験電波のアナウンスではなく、いきなり、AMラジオと同じ内容でスタート。近隣の電波障害の有無の様子を見つつとなり、まずは弱い出力での発射となりましたが、AMラジオと同じ内容がFMステレオにてくっきりとクリアな音声で聞けるようになりました。

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東海とCBCで聞こえ方が違う?

 東海ラジオは92.9MHz、CBCラジオは93.7MHzで試験電波の発射が開始され、まだ出力が弱いことで逆に、両局の電波の発射具合の違いを感じることができます。

 私が実際に受信をした印象では、岐阜県可児市では圧倒的にCBCの方が東海よりも電波が強かった一方で、おとなりの愛知県犬山市では逆転し、CBCよりも東海の方が若干、電波が強く感じられました。

 その他にも、ネット上での受信報告でも、愛知県の尾張地域や三重県方面では東海の方が強く、岐阜・西濃方面ではCBCの方が強いというものが多く見受けられました。

 このことから、送信アンテナは、東海もCBCもどちらも1面3段と3面1段という同じ構成になっていますが、それぞれ電気的な指向性が違うという可能性があります。

 ワイドFMは「FM補完中継局」ですので、あくまでもAMラジオの補完。そう考えると、岐阜県方面でAMの受信環境の良い東海ラジオと、岐阜県方面で夜間は特にAMの受信環境が悪く、岐阜中継局(639KHz)を設置までしているCBCラジオで、ワイドFMの電波の飛び方を意図的に変えているのではないかと思われます。

 今後、周囲の電波障害状況や、電波の伝播状況を見ながら、免許されている7kWまで順を追って出力を上げていく予定となっています。

茨城放送では本放送が開始

 同じく17日、茨城放送が94.6MHz(1kW)でワイドFMの本放送を開始しました。関東では初のワイドFM開始となり、大々的に特番が放送されました。

 茨城放送はワイドFMに「i-fm」という愛称と、「FMもAMもよくばりラジオ」とのキャッチフレーズをつけ、webサイトもロゴも、これまでの「IBS茨城放送」の文字は小さく、「i-fm」の文字の方が大々的にアピールされており、すっかり「FM放送局だけれども、AMラジオでも聞けます」という体裁になっています。

 茨城県にはこれまで、県域の民放FM局は存在していなかったため、その役割も担っていくという決意のようなものを感じます。

 ひょっとすると、民放FMのネットワークである「JFN」にとって空白県である茨城県の、スポンサードを受けたいという思惑があるような…そんな気もします。

それにしても東京は遅い

 茨城放送が関東で初のワイドFM本放送をスタートし、名古屋の2局が東・名・阪で初のワイドFM試験電波を発射し始めたわけですが…。

 気になるのが、キー局である東京のTBSラジオ、文化放送、ニッポン放送です。予備免許を交付されたのは昨年9月3日。いまだに試験電波は発射されておらず、この秋~冬にかけてスタートするというアナウンスだけです。

 東海ラジオとCBCラジオへの予備免許交付が今年5月13日、試験電波発射が8月17日、放送開始が秋、と考えると、東京は何かしらの事情があるということになりますよね。

 初日の電波発射は、東海ラジオとCBCラジオともに朝10時から午後7時過ぎまででした。今後、名古屋が秋、東京が冬、大阪が来春開始予定と新聞報道されています。

この記事を書いた人

TOPPY/川合登志和

記事や脚本を書いたり、名古屋のラジオやテレビの構成作家をしたり出演したり、地域のFMラジオで喋ったりディレクターしたりミキサーしたり、講師したり、サイト作ったりしてます。

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