ユーホーム桶狭間店(名古屋・緑区)
ユニーのホームセンターユーホーム
秋にファミリーマートとの経営統合を控えた、名古屋圏の流通の雄「ユニー」がホームセンター事業から撤退すると発表しました。ユニーがホームセンター事業に手を出したのは今から20年前。結局ユニーは、ユーホームを地元ホームセンターのカーマに譲渡することとなりました。
そういえば、20年前には「ホームセンター事業への参入戦争」が名古屋圏にはありました。そこに参加した3社のうち2社が…。
ユニーのユーホーム
ユニーが運営してきたホームセンター「ユーホーム」。ユニーはホームセンター事業に1995(H7)年に参入し、地元では1996(H8)年12月に小牧店をオープン。サンテラス小牧のすぐ横に別棟として建てられ、ショッピングセンターとホームセンターが一体化した施設となりました。
その後も岡崎、阿久比、安城、そして本社のある稲沢と出店攻勢をかけるのですが…。
ユーホーム誕生から10年後、2006(H18)年7月に小牧店が閉店。一方でピアゴだった桶狭間店をユーホームに業態転換するなど、2015(H27)年まで閉店・開店を繰り返し、11店舗の体制となっていたのですが…。
なんとなくそうなる気はしていましたが、ファミリーマートとの統合を前に撤退です。
もう1社同じ道を辿ったのが…
ユニーがユーホーム事業をスタートした1995(H7)年。同じようにホームセンター事業に手を出した会社が名古屋にありました。名古屋圏の家電量販店の雄「エイデン(現:エディオン)」です。
エイデンは1995(H7)年、三河を中心にホームセンター事業を展開していた「サカキヤ」と合併。社名を「エイデンサカキヤ」と変更するほどにまでホームセンター事業に肩入れ。家電量販とホームセンターを融合した「ホームエキスポ」という新業界を開発し、三河だけでなく尾張の岩倉、岐阜の多治見など積極的に展開したのです。
ホームエキスポ安城店(愛知・安城市)※2008年撮影
ユニーは1995(H7)年にホームセンター事業に参入し、「ユーホーム」を展開。このたび、その事業をカーマに譲渡。11店舗中8店舗がカーマとして営業し続けることになります。
エイデンは1995(H7)年にホームセンターサカキヤと合併してホームセンター事業に参入し、「ホームエキスポ」を展開。2014(H26)年にカーマに譲渡され、翌年店舗名もすべてカーマに。
同じ道を辿っていますね。
さらにもう1社ある1995年参入組
ユニー、エイデンだけでなく、同じく1995(H7)年にホームセンターと合併した企業があります。バローです。
岐阜県多治見市に本社を置く地元密着流通「バロー」は1995(H7)年、同じく岐阜県でホームセンターを展開していた「フジヤホームセンター」を吸収合併。バロー独自で展開していた「イズムホームセンター」とともに「ホームセンターバロー」としたのです。
ホームセンターバロー岩村店(岐阜・恵那市)
ホームセンターバローは、ユーホームやホームエキスポと違ってこれからも存続し続けるのですが、2015(H27)年10月にバロー本体から切り離されて、「株式会社ホームセンターバロー」として独立してるんですよね。
まあこれは、バローの持株会社体制移行に伴うものであって、切り離されてどこかに…というわけではないと思いますが。
しかしこうやって見ると、1995(H7)年にはユニー、エイデン、バローが揃ってホームセンター事業に手を出しているのですね。そのうち2社が結局、約20年後カーマに吸収されるという。
カーマホームセンター元塩店(名古屋・南区)
そんなカーマも、北海道の「ホーマック」、愛媛の「ダイキ」と一緒にDCMホールディングスになり「現時点では時期尚早だが、ジャスコがイオンに変えて成功したように、カーマの名前がいずれ消えることも辞さない」と表明しているので、どうなることか。
20年という月日は、名古屋圏のホームセンターを取り巻く環境を180度、変えてしまったわけですね。
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