県営名古屋空港(愛知・豊山町)
半分はショッピングセンターになりましたが
愛・地球博を控えた、2005(H17)2月に開港した中部国際空港(セントレア)。それまで名古屋の空の玄関だった名古屋空港からその座を奪い、一元化されるかと思いきや、名古屋空港は残ることになります。
名古屋空港は、県営になった際に国際線ターミナルがショッピングセンターになったものの、日本航空グループのジェイエアが国内線を運航。ところがジェイエアは2011(H23)年4月に全面撤退。現在は、2009(H21)年に就航したフジドリームエアラインズ(FDA)便のみが名古屋空港から発着しています。
わが家の場合、セントレアよりも名古屋空港の方が近いので、今回福岡へと旅立つ際にも、名古屋空港のFDA便を利用することにしました。メリットは「近い」だけでなく、名古屋空港はFDAしか運航していないので、カウンターもわかりやすく、手続きもスイスイ。
セントレアが開港して以来、初めて名古屋空港を利用しましたが、これは気軽で便利に使えます。そしてFDAの意外なサービスとは。
「なごぴょん」が案内する9路線
フジドリームエアラインズ(FDA)は、その名のとおり富士山静岡空港を拠点として誕生した、静岡市に本社を置く鈴与が立ち上げた会社です。
名古屋圏の空港はセントレアに一元化したい思惑もあり、日本航空グループのジェイエアは新規路線開拓をできない足枷がかけられることとなり、日本航空自体も破綻した影響で名古屋空港から撤退することに。
そこで受け皿になったのがFDAでした。FDAはジェイエアの路線を引き継いだだけでなく、青森・花巻・山形・新潟・高知・出雲・北九州・福岡・熊本へと計9路線に拡大。名古屋空港にも本社機能をもち、静岡と名古屋の2本社体制にまでなったのです。
県営名古屋空港のマスコットキャラクター、なごぴょんがお出迎えの名古屋空港でスムーズに搭乗です。
FDAのイメージ戦略
FDAは、常にではありませんが、特定の時期になると名古屋のテレビでスポットCMを大量投下。機体もカラフルでその印象は強く、他の航空会社のテレビCMをすっかり見なくなったなかで、名古屋空港から飛行機で気軽にラクラク出張&お出かけというイメージ戦略が徹底されています。
富士山静岡空港から就航しているのは、札幌(新千歳)、福岡、鹿児島の3路線なのに対し、名古屋空港からは9路線ですから、もはやナゴヤドリームエアライン、もしくはシャチドリームエアラインと言ってもいいくらいの状況になっています。
いえ、言えません。なぜなら…。
さらなる地元色?外様色?
そんなFDAの飛行機に乗って感じる地元感が、パンのサービスです。朝出発の便に搭乗しますと、ドリンクサービスとともにパンのサービスが。
そのパンがサービスされる際には「コモ提供のコモのパンでございます」と社名の案内が。そう、コモのパンといえば名古屋空港の敷地がかかっている小牧市の会社。名古屋空港は小牧空港とも言われるほどですからね。小牧空港からの飛行機で、小牧のパン。まさに地元です。
そして新聞のサービスも。これは嬉しいですね。
無料で読むことができるのは、岐阜新聞。
そう、名古屋といえば岐阜新聞、小牧といえば岐阜新聞ですよね。
違う。
岐阜新聞って…、小牧や名古屋といった岐阜県外ではコンビニでも売られておらず、通常はこの地域では読むこともできない新聞ですよね。
飛行機に乗れば小牧で読める岐阜新聞!
地元感があるようで、しっかりと感じる外様感。
中日新聞と静岡新聞が壮絶な火花を散らす静岡県から、名古屋に乗り込んできたFDAの機内で読むことができるのは、同じく中日新聞と火花を散らす岐阜新聞。
岐阜目線で見ると、名古屋政財界の手によって開港に至ったセントレアのせいで「名古屋の空港を三重に取られた」感もあり、名古屋政財界によって「(岐阜寄りの)名古屋空港を潰されそうになった」経緯もあり、FDAで手渡される岐阜新聞には、ずっしりと目に見えない重みを感じます。
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