ネット局縮小が続くテレビ東京のL4YOU!(レディス4)がとうとう関東ローカルに

160930

9月30日のテレビ愛知番組表(TV Life)

「日本初」のテレビ通販番組がルーツ

 テレビ東京で33年前から午後4時に放送されている「レディス4」。現在は「L4YOU!」に改題されていますが、番組としての扱いは同一となっています。

 この番組は、三越の通販が挿入されており、元はといえば、日本初のテレビ通販番組であるフジテレビの「東京ホームジョッキー」をルーツとしています。

 テレビ東京系列は6局しかないのに対して、レディス4は最盛期には19局ネットにまで拡大。「毎日『億』を売る通販」として、その舞台裏が日本テレビのドキュメンタリー番組で紹介されたこともありました。

 そんな、日本を代表する通販番組に今、大きな動きが起きています。

[広告]

この春7局ネットに縮小

 「L4YOU!」は今年の春、ネット局を7局・4地区に絞りました。地域としては関東・東海・関西・瀬戸内で、北海道や九州などそれ以外はすべて番組打ち切りとなったのです。

 それまでの経緯については、今年の春に記事を書きましたのでそちらをお読みいただけると嬉しいです。

日本初の通販番組の後継であるL4YOU!(レディス4)がネット局大幅縮小…一方で新たなドラマ通販

 この春から、テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビせとうちの系列4局と、びわ湖放送、奈良テレビ、テレビ和歌山の独立局3局での放送となっていた「L4YOU!」が、とうとうこの秋からは、関東ローカルになってしまうのです。

 テレビ東京以外の放送局は9月30日を持って「打ち切り」です。

160930a

9月30日の中日新聞

特殊な放送形態

 関係者の方にお話を伺ったところ、この「L4YOU!」は通常のテレビ番組のネットとは位置づけが異なっていて、あくまでも番販のローカルセールス番組であるということ。ただし、地方局は番組購入をするに当たって、三越が提供でつくことが条件となっており、なおかつ三越側からしか番組を終了することはできないという形だというのです。

 しかもローカルセールスであるため、制作局であるテレビ東京に対しては、三越は番組制作費も負担している一方で、地方局には番組放送開始時の条件のままでの放送が続いており、地方局にとっては収益の上がらない時間となっていたというのです。

 ですので、今回の「打ち切り」についても、地方局はそれほどダメージが無いどころか、むしろ収益性が高まる局もあるのでは、とのことです。

本家はどうなるのだろう

160326

 10月からテレビ東京だけの放送となる関東ローカルの「L4YOU!」。それだったら、むしろBSに移行したらいいのでは?という気もするのですが、きっと別の思惑があるのでしょう。

 奇しくも、関東以外ではL4YOU!が最終回となる9月30日には、そごう柏店と西武百貨店旭川店も閉店に。思えば、三越レディス4百貨店の名古屋店、大阪店、岡山店、大津店、奈良店、和歌山店の一斉閉店ともいえるでしょう。

 わざわざ、少しずつネット局を減らしていく三越に、何か考えがあるような気がしてなりません。BS移行や番組からのスポンサー降板をしてしまうと、ネット局の枠組みそのままに、他の百貨店や通販会社がL4YOU!にスッと入れてしまうことを警戒しているのでしょうか。そのために、わざと店舗網のようなネット局を少しずつ減らしているのでしょうか。

 今は亡き、通販好きだった母が毎日見ていたレディス4。商品情報でも食品から寝具、服飾まで幅広く購入していました。

 レディス4で母が買ってくれた、高崎一郎さんが自信を持って紹介していた、カンガルー革の靴。すっかり履きつぶしてもう履くことはありませんが、番組が終わってしまっても、捨てることはできないだろうなあ。

 名古屋在住の私としては、一つの時代がこれで終わり、改めて思い出が思い出として過去の物となりました。

三越らしい終わり方

160930b

 関東では放送が続くことから、地方局向けの番組終了の挨拶はなく、各局がテロップを出すにとどまりました。テレビ愛知は「この番組は今回をもって終了いたします」のみ。

 しかし、ラストは東京にある三重県のアンテナショップ「三重テラス」からの中継で、唐突な松阪牛の食レポ。

 わかりました。

 松阪といえば、三井越後屋を創業した三井家発祥の地です。三井越後屋を略して「三越」です。地方局向けのラストは、三越のルーツである街の名産を紹介してのお別れ、という趣向だったのですね。

 実はそんな意図は無かったり?あったり?どうでしょう。

 名古屋では番組は終わってしまいましたが、これからも三越とテレビ東京のことは好きなまま、変わりません。

三井越後屋のビジネス・モデル -日本的取引慣行の競争力-

この記事を書いた人

TOPPY/川合登志和

記事や脚本を書いたり、名古屋のラジオやテレビの構成作家をしたり出演したり、地域のFMラジオで喋ったりディレクターしたりミキサーしたり、講師したり、サイト作ったりしてます。

TOPPY/川合登志和をフォローする
深層テレ東伝説
スポンサーリンク
シェアする
TOPPY/川合登志和をフォローする

コメントはこちらから

Loading Facebook Comments ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました