ライン漬け(御代桜醸造)
ラインと言って何を思い浮かべるか?という話です
「ライン漬け」とその言葉だけを聞くと、四六時中スマホでLINEに夢中になっているかのような印象を受けてしまいますが、そうではありません。漬物の話です。岐阜県美濃加茂市で作られているお漬物だからライン漬けなのです…と言って「あー、そういうことね」と納得していただけるのはどれくらいの地域まででしょうか。
お酒のメーカーが作るライン漬け
ライン漬けを製造しているのは、地元ではパンダが描かれたパンダカップ酒でも知られている、お酒のメーカー御代桜醸造。厳選された国産青瓜を、酒粕で何度も何度も漬け替えた一品です。手作りで仕上げられていてさすがお酒の蔵元です。
強い食感と強い風味
食べてみますと、まず食感に意外性があります。よくある漬物のパリパリ感とは違う、歯ごたえの強い仕上がりです。さらに風味の強さ。しっかりと酒粕の香りを青瓜がまとっています。濃い、ですね。
このライン漬け、地元では40年以上にわたって親しまれている、まさに美濃加茂を代表する漬物のひとつなのですが、近隣の愛知県側、つまりはラインの反対側には守口漬・守口大根の一大生産地があり、このあたりは酒粕で漬け込んだ漬物そのものが人気のエリアともいえます。
岐阜と愛知におけるラインとは何か
で、そのライン漬けのラインとは何か、なのですが、かつては「日本ライン下り」「犬山ラインパーク」「ライン遊園駅」といった名にも使われていた「日本ライン」。木曽川の別名ですね。
ヨーロッパ中部を流れるライン川にその風景が似ていることから、地理学者志賀重昂さんが大正時代に名づけたものです。ただ、木曽川全体を指すものではなく、美濃加茂市から犬山市にかけての峡谷を指しています。
日本ライン下りは休止となり、犬山ラインパークは日本モンキーパークとなり、ライン遊園駅は可児川駅となりましたが、ライン漬けは健在というわけです。
そういった経緯があるとはいえ、カタカナの漬物は新鮮な感じがします。40年以上の歴史があるのですが。
コメント