アナログテレビの最後の最後でわかったこと

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2011年7月24日、アナログテレビ放送が、44都道府県で予定通り終了しました。正午に番組が終了し、一部の局を除いて、約12時間の「告知画面」を経て、午後11時59分に電波が停止となりました。この12時間の「告知画面」を見ていましたら、あることを思い出しました。

それは、

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11時間の告知画面。2003年12月1日のことです。午前11時に番組をスタートさせた、地上デジタル放送で、番組が始まる前の0時から11時まで、同じように静止画の告知画面が流れたのです。そう、今回の、終了を告知する画面とは正反対の、開始を告知した画面です。

あの日、12月1日は0時に、中京テレビなどはデジタル用の特設オープニング映像を流し、それから11時間の告知画面を経て、午前11時に、「地上デジタル放送開始特別番組・スタート!デジテレ」という番組で、地デジはスタートしたのです。

11時間の「開始」告知画面の前に、オープニング映像があったということは、そう、12時間の「終了」告知画面の後に、エンディング(クロージング)映像があるのではないか。放送マニアならピンと来るところです。

しかし、一般的にはそうではありません。終了を知らせる12時間の告知画面を流したあとに、アナログテレビを見続けている人なんかいないと考えるのが普通です。誰も見ていないだろうけど、テレビ局としては歴史的な区切りとなるエンディング。そのエンディングには、各局温度差があったようです。

東京・日本テレビは、かつて昭和の頃に流していた、クロージングアニメを放送。大阪はなんと、毎日放送ABC(朝日放送)読売テレビ、テレビ大阪がそれぞれ専用のクロージングVTRを制作、関西テレビは生放送で最後を迎えました。

そしてこの地方ですが、東海テレビはいつものクロージングに特別アナウンス、CBCテレビもいつものクロージングに特別アナウンス、テレビ愛知もいつものクロージングに特別テロップ、メ~テレは論外、テレビ愛知は、開局から28年間、ずっと同じクロージング映像を使い続けてきましたら、あえてそこは、いつもどおりでよかったのですが、CBCや東海は、歴史を振り返る映像でも、よかったのになぁ…と思ったりします。

ちなみに、三重テレビとぎふチャンは無音ブルーバックにコールサインでした。独立局のなかには、夕方に電波を止めてしまった局もあったくらいですから、三重と岐阜はこれでも頑張ったほうだと思います。

注目は中京テレビでした。中京テレビは、大阪のテレビ局と同じように、これまでの歴史を振り返る専用クロージングだったのです。中京テレビは、この地デジ化で大きな変革を迎えます。これまで、広域4局のなかで、中京テレビだけがUHFというマイナーイメージを持ち続け、UHFであるために、独自の電波塔を維持してきたわけです。

開局当初は、アンテナやコンバーターの設置に尽力し、「見てもらう」苦労が他局の比ではありませんでした。かつては、新聞広告に必ず、「中京テレビの映りはいかがですか?」「中京テレビ無料受信相談」なんて文字が入っていたものでした。この地デジ化によってようやく、電波の面で、中京テレビは他のテレビ局と同じ土俵に立つことになるのです。

まあ、売上の面では、とっくに同じ土俵に立っているどころか、ある局には大差をつけて勝っていますけどね。そんな、アナログ放送の最後の最後。アナログからデジタルに変わる、日本のテレビにおける歴史の分岐点。

誰も見ていないだろうけれども、テレビ局にとっては大切な区切り。そんな大切な区切りを、各テレビ局がどう捉えていたのか、わずか数分という一瞬の時間に、しっかりと現れていた気がします。

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さあこれで、毎日放送のファンファーレ吹こうぜ!

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