ひっそり終焉・テレビ東京の「株式ワイド」

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テレビ東京の日中のニュースといいますと、経済情報といいますか、株のことばかりやっているという印象がありましたよね。実はこの路線、自前の枠としてはこの秋にて、ひっそり終焉したようです。

しかもその、終焉の日の特集は…

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まさに集大成。

テレビ東京はかつて、朝、昼、夕と1日3回「株式ニュース」を放送していました。

朝は9:40~前場寄り付きの動向を、
昼は11:30~前引けの動向を、
そして夕は15:40~大引けの動向を伝える番組でした。

それ以前にも株式動向を伝えるニュースはあったのですが、1987(S62)年10月にこの「株式ニュース」に統一され、テレビ東京の第3スタジオに設置された株価ボードの前から、東証1部上場銘柄の株価を次から次へと解説とともに伝える格好でした。

その後、日本経済新聞社に設けられた「日経スタジオ」からの放送になり、画面も株価ボードからCG化されるなど進化しました。それぞれの時間には、証券会社や証券取引所会員社が、しっかりとスポンサーとしてつき、投資家が最速の株価情報としてチェックする、その投資家に向けてのスポンサーがつき、テレビ東京は潤うという
安定した番組枠となりました。

ところが…。

テレビが最速の株価を伝えるという役目を終えるときがやってきます。そう、インターネットの登場です。インターネットで瞬時に株価がわかるようになると、ただ、株価とその解説を伝える「株式ニュース」という存在は次第に危うくなっていきます。

まず、朝の前場寄り付きがノンスポンサーとなり、テレビ東京はここに自前の「株式ワイド」という形態の番組を投入します。2000(H12)年秋のことでした。このときスタートした「株式ワイド・オープニングベル」は、それまでの淡々とした株式ニュースを、ワイドショーのような構成にした斬新なもので、

コメンテーターにアナリストを迎えて、「ある業界について特集→セクター分析→注目企業の株価見通し」という、その後のテレビ東京の「Mプラス」「L4YOU!プラス」の基礎になる「株式ワイド」という番組形態がここで生まれたのです。

オープニングベルは、東名阪に限ってですが、セールスも好調で、証券会社や銀行が各地域でスポンサーとして名を連ね、特にキャスターが末武里佳子さんと池谷亨さんの時期は、株式を扱っているとは思えないほど、柔らかい番組の雰囲気でありながらスピーディーでシステマチックな心地よい流れの番組となっていた上に、この番組で扱われる銘柄と2ちゃんを併用することで、結構、デイトレで成果ださせていただいたので、そういう意味でも感謝しています。

さてさて。この朝の「株式ワイド」に成功したテレビ東京は、夕方も2001(H13)年秋「株式ワイド・クロージングベル」としてスタート。お昼を除いて「株式ニュース」は「株式ワイド」に変わったのです。

しかしです。リーマンショックと時期と同じくして、この株式ワイド路線も陰りが見え始めます。まず、朝の前場寄り付きが「オープニングベル」から「E-morning」へと2008(H20)年に模様替えをすると、番組が急に失速。

しまいには、テレビ東京は日経にこの時間を丸投げするようになり、今では、関東ローカルでたった数分の枠にまで縮小してしまいました。お昼の株式ニュースも、紆余曲折の末、マーケット情報の部分は結局、日経に丸投げに。

その年にスタートした、東証アローズから生放送で市況を伝え続ける、TOKYO MX・三重テレビの「東京マーケットワイド」の存在も大きかったでしょうね。

そして最後の砦です。夕方の「クロージングベル」は、「NEWS FINE(1部)」「MプラスExpress」「L4YOU!プラス」と番組名は変えつつも、2000(H12)年にスタートした「株式ワイド」という、「ある業界について特集→セクター分析→注目企業の株価見通し」この番組形態を続けてきました。

ところがです。

「L4YOU!プラス」は、番組としては秋以降も続くものの、この秋からは…

【月】街の最新トレンド情報
【火】お手軽エクササイズ
【水】手軽に本格豚料理
【木】季節にピッタリの洗濯術
【金】港区で働く達人を紹介

これはもう、どう見ても「株式ワイド」じゃないよね。番組タイトルどおり、午後4時からの「L4YOU!」に飲み込まれた格好ですね…。テレビ東京の「株式ワイド」13年の歴史に、この秋、ひっそりと幕が下ろされるというわけです。

その「株式ワイド」としての最終日に放送されたのが、これでした。

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アナリストを迎えて、放送業界を特集して、セクター分析、そして放送業界の注目企業「テレビ東京」の株価見通しです。

「テレビ東京生き残りの戦略は…?」

その結果は、アナリスト分析

・キー局で唯一不動産事業がない
・系列局が少なくてカバレッジが少ない
・制作費が極端に安い

なんという自虐オチ。

今まで散々、13年に渡って、テレビ東京は、他の業界、他の企業を分析し倒してきたわけですが、最後の最後で自己分析、ということですね。番組が終わるわけでもなく、誰にも注目されるわけでもありませんが、ひっそりと、テレビ東京の13年間に渡る番組制作手法が、自己分析と自虐によって終わった、そんな感じです。

一応、秋以降のL4YOU!プラスにも、マーケット情報のパートは残されるようで、そこには久々の梅津キャスター登場となりますが、「株式ワイド」と呼ぶほどのものではないでしょうね。

「テレビ東京生き残りの戦略は…?」

生き残りの戦略、それは、いまや証券会社の提供など見込めない、株式ワイドをやめること。だったわけですね。

日経会社情報2013IV秋号

テレビ東京では、「会社四季報」って禁句だよね。岐阜放送における中日新聞と同じことだね。

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toppy-net

記事や脚本を書いたり、名古屋のラジオやテレビの構成作家をしたり出演したり、地域のFMラジオで喋ったりディレクターしたりミキサーしたり、講師したり、サイト作ったりしてます。

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コメント

  1. RunRun より:

    テレビ東京の本音は、
    専門性が強すぎる株式・経済情報番組は、
    データイムは極力日経CNBCに任せて、
    地上波のテレビ東京の編成では、
    ほぼ終日にわたり、
    温泉、グルメ、お笑い、オトナ向けドラマなど、
    40歳以上のステレオタイプな視聴者を対象にした、
    頭からツマ先まで堅実な内容の番組ラインナップを並べて、
    いわば「消去法」でテレビ東京にチャンネルを合わせようとする「スキ間視聴者」を、
    確実に囲い込んで、それを「大きなうねり」にして、
    全日視聴率の一段のアップを図りたい算段なのでしょうかね。

  2. >RunRunさま コメントありがとうございます
    テレビ東京の本音というのはわかりませんけど、
    基本的にテレビ東京って、視聴率よりもスポンサーじゃないですかね。
    じゃなきゃ、1%台のアニメをゴールデンに編成し続けたり
    しないと思いますからね。
    かつては、株式ニュースで証券会社のスポンサードが見込めたのが
    今ではゼロですからね。どちらかというと、
    保険会社や教材通販などのスポンサーがつきやすい内容に
    ということだと思います。

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