テレビとインターネットが同時は珍しい
テレビ東京が平日の朝に放送している「Newsモーニングサテライト」、この4月1日から、インターネットでも同時配信すると発表されました。テレビ番組がインターネットで同時配信されるのは異例のことで、レギュラー番組では初めてではないか?と報じられました。テレビ東京系列は、全国の6割強の人口しかカバーしておらず、この、テレビとネット同時配信が常時実現すれば、映らない地域にとっては福音になるわけですが、実際にはそれをやると「系列局」の存在意義がなくなりますし、地域によってCMを差し替えるということができなくなるために、どこも手を出さないというのが実情です。
なぜ、モーニングサテライトなのでしょうか。
本当に誰でもネットで見られる
4月から配信される「Newsモーニングサテライト」は、「テレビ東京ビジネスオンデマンド」という有料会員サイト上での配信なのですが、無料で会員登録無しでもこの番組だけは見られるようになるとのことです。
これにより、テレビはもちろん、パソコン、スマートフォン、タブレットでも、生放送のニュース番組が同時に見られるようになるわけで、やろうと思えば、できる、ということが実証されることとなります。
ただ、この「Newsモーニングサテライト」は、もともとテレビ東京系列のニュース番組では唯一、BSジャパンでも同時で放送されているために、アンテナさえあれば、全国100%カバーだっただけに、それほどまでのインパクトはありません。
実は過去にもあった
さて、レギュラー番組では初?と「?」をつけたのには理由があります。かつてテレビ東京は、夕方に「ピラメキーノ」を放送していた頃に、その番組のインターネット同時配信を行ったことがあるのです。しかし、先に書いた理由のとおり、系列局の邪魔はすることはできないということで、「テレビ東京系列の存在しない地域」のみのインターネット同時配信としたのでした。
しかし、結果は惨敗。そうなんですよね。系列局の無い地域では、ほとんどの人が「テレビ東京」の存在を知りません。また、知っていたとしても、地元局で放送されていないテレビ東京の番組の存在を、知る手段というものがありません。
結果として、系列局の無い地域だけでインターネット配信された番組は、「存在を知らない人だけが見られる環境」というミスマッチのまま、何も報われることも無く、実験は終了、実験結果の報告も一般向けにはありませんでした。
今回も実験的な意味合いが強いのかも
さて、今回の「Newsモーニングサテライト」は、BSジャパンでも同時放送されているうえに、エリアも制限せずにネット配信ですから、系列局の存在は無視しているといっても過言ではありません。でもきっと、そういう意味合いではなく、番組自体や有料のテレビ東京ビジネスオンデマンドの周知の一環ということなのでしょうね。
まあ、視聴率が1%あるかないかのモーサテだからこそできた、ということなのでしょう。
それにしても、この、インターネットでも見られるという状況になる4月1日に、同時に、番組の放送を開始するぎふチャンテレビの意図は何でしょうね。ひょっとすると、テレビ東京はこのモーサテはもう「広報番組」という位置づけで、番組を売る価格も下げているのかもしれませんね。
とにかく、実験的であろうが、PR目的であろうが、インターネットでテレビ番組を同時配信する行為が「やろうと思えばできる」ということを証明するのが、この春からのモーサテということになります。
テレビ版ラジコが登場する日は…まだまだ遠いだろうな。
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