もち米をつききっていないところが食感のポイント あんこをもち米で包んだくうや観助餅

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くうや観助餅(鈴木翠松軒)

伊勢名物といいますと…

 お伊勢さん菓子博へ行きまして、改めて伊勢・三重の和菓子の豊富さといいますか、餅菓子のバリエーションのすごさに驚いたわけですが、有名なのはやっぱりお餅をあんこで包んだアレですよね。

 一方でその逆、あんこをお餅で包んでいるのですが、そのお餅が餅状になっていないことで独特な味わいに仕上がっているのが「くうや観助餅」です。

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くうやとは空也

 伊勢志摩では慶事や弔事で食べられるという「くうや餅」。くうやとは漢字で「空也」と書き、蒸したもち米をつききらずに、お米の状態を適度に残した状態を表現した言葉だそうです。

 そんな空也状態のもち米であんこを包んだのが「くうや餅」。赤・白・緑の3色があって、慶事では紅白、弔事では緑と白と組み合わせになるそうです。

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くうやはわかりましたが観助とは?

 今回買ってきましたのは「くうや観助餅」。くうやはわかりましたが、観助とは?名前っぽいですよね。

 実は、この「くうや観助餅」を製造・販売している伊勢・二見の鈴木翠松軒の二代目が観助さんだったことからなのですね。鈴木翠松軒は1893(M26)年創業。観助さんは昭和初期に東京で修行を積んで、二代目として帰郷されたそうです。

 皇室にも出入りされていたことで、材料は絶対に最高品質のものを使うという信念がこの時以来、今も受け継がれているとのこと。

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つききらないもち米とあんこの相性の良さ

 見た目のあざやかさもいいですね。紅白もさることながら、よもぎの緑が本当にいい色合いです。もち米のつやつや感も演出になっています。

 いただいてみますと、この、つききっていないもち米の食感と風味、あんことのバランスが最高ですね。甘みは控えめなのですが、さらにそこに米粒感はありつつもカタいわけではないもち米。これはくせになります。

 ただ「餅」かと言われると、餅ではないような。そんな気もしますが、もち米だからやっぱりもちですね。

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 くうや餅3つを太い棒に刺したら、デカい3色団子っぽくなりそうですよね。あ、お伊勢さん菓子博の「いせわんこ」が持ってるのって、実はそれ?

ニッポン全国・和菓子の食べある記: 高島屋・和菓子バイヤーがこっそり教える郷土の和菓子480品

この記事を書いた人

TOPPY/川合登志和

記事や脚本を書いたり、名古屋のラジオやテレビの構成作家をしたり出演したり、地域のFMラジオで喋ったりディレクターしたりミキサーしたり、講師したり、サイト作ったりしてます。

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