三国山(愛知・瀬戸市)※2011年1月撮影
AMラジオがFMでも聞けるようになります
AMラジオといえば、夜になれば遠くの放送が聞こえたり、FMと違って放送が県単位ではなく広域だったりといった特徴がありますが、何と言っても今となっては「音が悪い」が最大の欠点になってしまっていますよね。
現在では、パソコンやスマホで同じように放送が聞けるIPサイマルラジオサービス、radiko(ラジコ)が登場し、また、有料ではありますが、全国の各局が聞けるradikoプレミアムといったサービスもありますが、それでも、AMラジオの放送自体は音が悪いという状態は続いていました。
その解消策のひとつが、FM補完中継局(ワイドFM)です。
ワイドFMとは
このブログではこれまでにも、ワイドFMについて取り上げてきました。
そのなかで問題になっていたのは、
・既存のFM局は県単位の放送エリアであるのに対し、AM局は広域放送のところもあり、その広域AM局がFM電波を出す際に、既存FM局との兼ね合いをどうするのか。
・既にFMラジオの周波数は地域によっては逼迫しており、どこにその電波を確保するのか。
といったことがありましたが、それらについてはこちらの記事に書きました。
「AMラジオがFMでも聞けるように・周波数割当へ」(2014.2.1)
「名古屋のAMラジオがFMでも聞けるようになることが決定 」(2014.12.1)
「いよいよAMラジオ局にFM補完中継局免許交付」(2014.11.26)
「秋開始予定のFM補完中継局・CBCと東海ラジオによるFM放送電波は三国山から」(2015.1.20)
名古屋の2局に予備免許交付
5月13日、総務省東海総合通信局より、名古屋の2つのAMラジオ局に、ワイドFM(FM補完中継局)の予備免許が交付されました。
・東海ラジオ 92.9KHz 7kW
・CBCラジオ 93.7MHz 7kW
送信所は愛知県瀬戸市、予備免許交付は三大都市圏では東京に次いで2番目となりました。
送信所が三国山になることは、既に新聞報道もされていましたが、注目はその出力です。
ワイドFMについては、既存のFM局との兼ね合いから、既存FM局の電波の条件を超えないこととなっており、東京では、東京タワーから電波を出しているTOKYO FMが10kWであるものの、スカイツリーから電波を出しているJ-WAVEと同じ出力7kWで、TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送に認められましたが、名古屋の場合どうなるのか…結果として、東京と同じになりましたね。
名古屋の場合も、既存のFM局は東山タワーから10kWで電波を出している一方で、三国山は電波の飛ぶ条件が良いことから、かつてここに送信所を置いていたRADIO-iは、出力5kWにもかかわらず、高知県まで電波が飛んでいたといわれています。
そのため、もちろん10kWが認められるわけも無く、東京と同じ計算式で調整できるか…と言われていたのですが、結果として、東京タワーの10kWに対してスカイツリー7kWと同様に、東山タワー10kWに対して三国山7kWとなったというわけです。
ただし、南西方向だけに電波を出していたRADIO-iとは違い、東海ラジオとCBCラジオのFMは、各方向に電波を出すことになるため、電波の飛び方もRADIO-iとは異なるものと思われます。
スタートは東京よりも先!
さて、いつその放送が始まるか、ということなのですけれども、中日新聞の報道によりますと、昨年9月に予備免許が交付された東京のTBSラジオ、文化放送、ニッポン放送の正式スタート時期が発表されていないにもかかわらず、名古屋の東海ラジオとCBCラジオは秋スタートの方向で進められているとのこと。
名古屋:秋
東 京:冬
大 阪:来春
その記事によると、このようなスケジュールだそうで、ワイドFMに関しては、三大都市圏では東京と大阪を差し置いて、名古屋が一番乗りになる見込みです。
秋からは、
92.9MHz=苦肉のFM東海ラジオ
93.7MHz=苦しいみんなのCBCラジオ
と覚えると、周波数も頭に入りやすいでしょう。
聞くには、90MHz以上が聞けるラジオ、かつてのアナログテレビ1ch~3chが聞けたラジオが必要です。もちろん対応ラジオは持ってるんだけど、肝心の車で聞けないんだよね…。
かつては、地上デジタル放送の送信所として候補に挙がり、地デジ試験電波も発射され、RADIO-iが電波を出し、万博期間中はFM LOVEARTHのアンテナも設置された三国山。あの好条件から、7kWですから、どこまで電波が飛ぶのか、それも楽しみです。
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