すき焼き
わが家では小さい頃から当たり前だったのですが
毎年、この記事は書いてるのですが、この年末もそうでしたので改めて書きます。
わが家では幼い頃から「大みそ日はすき焼き」と決まっていました。ずっとそれに理由があるとは思っていませんでしたし、特に何かを考えるわけでもなく、小さい頃は、5チャンネル「レコード大賞」と11チャンネル「大みそ日だよドラえもん」をザッピングしながらのすき焼き…が当たり前でした。
家庭をもった今でも、その頃からの名残りで「大みそ日はすき焼き」を続けていたのですが、ある時、妻から「大みそ日にすき焼きって何ルール?」と聞かれたので、数年前に調べてみましたところ、面白いことがわかったのです。
大みそ日にすき焼きは名古屋の習慣だった
行き当たったのは、農林水産省の「見てみよう!日本各地の郷土料理」のページ。愛知県の郷土料理として紹介されていたのは「ひきずり」です。
名古屋ではかつて、すき焼きに牛肉ではなく名古屋コーチンを使うことが多く、鶏肉はしっかりと火を通さないといけないので、鉄鍋に肉を「ひきずる」ことから「ひきずり」と呼ばれるようになったとのこと。
そして、ひきずりには名古屋コーチンなどの鶏肉とともに、津島市で栽培されている「越津(こしづ)ネギ」を使うとなっていますが、現在は少ししか作られておらず貴重な存在となっています。
そして注目すべきはこれ、
大みそかにはひきずりを食べて、年の終わりまで引きずってきたいらないものを、その年のうちに片づけてから新年をむかえるという習慣
鶏肉のすき焼きだから肉をひきずる「ひきずり」となり、ひきずりという名前だからこそ、翌年に悪いことを引きずらないように、大みそ日にひきずり倒すということで、名古屋では大みそ日にすき焼きが好まれるというわけです。
わが家では、その習慣の名残りが先祖から伝わっていたということになります。ちなみに、わが家は母方が名古屋で父方が岡崎という、尾張と三河の両方の血をひいています。
縁起担ぎの習慣となると…
わが家ではずっと続けてきた「大みそ日のすき焼き」。何の気なしに続けてきたことですが、これが縁起担ぎとなってしまうとやめられなくなってしまうのが人情というもの。まあ、やめる気もありませんでしたが、もしすき焼きを食べずに、その次の年に何か悪いことがあったらと思うと辞められなくなってしまいました。むしろ逆にこれで、大みそ日はすき焼きを食べられるという免罪符のようなものになりました。
昨シーズンは、名古屋らしく鶏肉でやってみまして、それはそれでもちろんおいしかったのですが、今回はやっぱり、牛肉のすき焼きをいただきました。
年越しそばは食べます
普段、すき焼きの〆はうどんということが多いのですが、大みそ日だけはそうはいきません。なぜなら、そのあとに年越しそばを食べないといけないからです。
この年末は越前そばにしました。
名古屋でも年越しはきしめんでもうどんでもなく、やっぱりそばでして、ローカルニュースでも大みそ日は蕎麦屋さんの映像がどこでも流れます。
話は戻って、大みそ日のすき焼き。農林水産省のサイトにも過去形で書かれていますとおり、あまり一般的ではなくなっているところはあるかもしれません…ということで。
まずは、夕食にすき焼きを食べてお肉をひきずりまくったところで、年越し直前でおそばを食べるというのが、古くからの名古屋の大みそ日の過ごし方、と言えますね。
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