ネットとリアルとアメリカと

写真:ロサンゼルス市ハリウッド遠景 ※資料写真

来週の月曜日から、事前にインターネットで認証を受けていないと、アメリカへの入国ができなくなります。これは「電子渡航認証システム(ESTA)」の義務化によるもので、あらかじめインターネットでパスポート番号などを入力し、そこで認証された人しか、リアルでアメリカに入国ができないというもの。

ただ、ネットで認証されたからといって、必ずしも入国を保証されるものではありません。しかし逆の場合は絶対です。ネットで認証されていない限り、入国は不可ということになります。

アメリカといえば、この100年ぶりとされる世界恐慌の震源地。その根源はもちろん「サブプライムローン」こと貧乏人向け住宅ローン。もちろん、この貧乏人向け住宅ローン自体は酷い代物だったわけですが、それ自体が金融危機を引き起こしたとは言えません。それを巧みに見えないように組み込んだ、金融派生商品に問題があったのです。

いわば、毒ギョーザと一緒なのです。

つまり、金融派生商品(ギョーザ)のなかに、サブプライムローンという毒が見えないように仕込まれていたと。そしてその毒の入った金融派生商品は、あるものが無ければ、これほど世界中に広まることはありませんでした。

それはインターネット。

インターネットでの金融取引が活発になったことで、金融派生商品は、瞬く間に世界中に広がっていったのです。では、そのインターネットを生み出した国といえば…。もちろんアメリカ。

そしてこのサブプライムローンが破綻する前に、それら金融派生商品を売ることで、莫大な儲けを得た人がいるわけです。それはもちろんアメリカ人。

…。

これって、実は確信犯じゃないの?と思えてしまいます。

そんなアメリカがとうとう、リアルで入国する人に対して、ネットでの認証を強制するようになったというわけです。ますますネットとリアルの融合はこれから進んでいく…と言いたいところですが、実はその言い方自体が大間違いなんですよね。

結局はネットの向こう側にあるのは仮想空間ではなく、そこにいるのは全て実体のある人間。

ネットで詐欺にあうのも、ネット取引で大損してしまうのも、それはネットに騙されているのではなく、誰かに騙されているわけであり…。ネットは最初から「リアル」そのものでしかないということに、今回のアメリカ入国事前認証義務化のニュースで、改めて気づかされました。

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